ハワイの神話 – ペレ|火山の女神の物語
はじめに:ハワイを象徴する火山の女神ペレとは?
ハワイ神話に登場するペレ(Pele)は、火山の女神であり、創造と破壊の力を持つ強大な存在です。
彼女は、ハワイ諸島の中でも特にキラウエア火山に住んでいるとされ、その噴火はペレの怒りや意志の表れだと信じられています。
✔ キラウエア火山の主(ぬし)とされる神聖な存在
✔ 火山の噴火を引き起こし、大地を創造する力を持つ
✔ 情熱的で嫉妬深く、多くの神話や伝説が残る
ペレの物語は、ハワイの火山活動と深く結びついており、今もなおハワイの文化や信仰の中で生き続けています。
本記事では、火山の女神ペレの神話、彼女の力、そしてハワイ島に咲く「オヒア・レフア」にまつわる伝説を詳しく解説します。
1. ペレの起源と伝説
① ペレの出自|タヒチからハワイへとたどり着いた女神
ペレは、もともと**タヒチ(またはポリネシアの島々)にいた火の女神であり、
姉であるナマカ(Nāmaka)**という海の女神との争いによってハワイへと逃れてきたとされています。
- ペレの家族
- 父:カネ・ミロハイ(Kane Milohai) – 天の神
- 母:ハウメア(Haumea) – 大地の女神
- 姉:ナマカ(Nāmaka) – 海の女神(ペレの最大のライバル)
- 妹:ヒイアカ(Hiʻiaka) – フラと森の女神
ハワイにたどり着いたペレは、キラウエア火山を自分の住処とし、
火山の噴火によって新しい大地を生み出すようになったといわれています。
② ペレと妹ヒイアカの物語|嫉妬と愛、そして永遠の別れ
ペレの伝説の中でも、特に有名なのが**妹ヒイアカ(Hiʻiaka)と、
カウアイ島の酋長ロヒアウ(Lohiʻau)**をめぐる物語です。
あらすじ
✔ ペレはカウアイ島の美しい酋長ロヒアウに恋をする
✔ しかし、遠く離れたカウアイ島にいたため、妹ヒイアカに彼を迎えに行くよう命じる
✔ ヒイアカはペレの願いを聞き、カウアイ島へ向かうが、旅の途中でロヒアウと心を通わせる
✔ ペレは二人の関係を疑い、嫉妬に狂って火山を噴火させ、ロヒアウを焼き尽くしてしまう
この結末は、ただの悲劇では終わりませんでした。
ペレの怒りにより命を失ったロヒアウを悲しんだヒイアカの涙を見た神々は、
彼を「オヒアの木(ʻŌhiʻa)」に、そしてヒイアカを「レフアの花(Lehua)」に変えました。
2. ハワイ島に咲く「オヒア・レフア」の伝説
① オヒアの木とレフアの花とは?
オヒア・レフア(ʻŌhiʻa Lehua)は、ハワイの火山地帯でよく見られる、
赤い花を咲かせる神秘的な植物です。
✔ オヒアの木(ʻŌhiʻa) → ロヒアウが変えられた存在
✔ レフアの花(Lehua) → ヒイアカが変えられた存在
② 「レフアの花を摘むと雨が降る」という言い伝え
ハワイには、**「レフアの花を摘むと、雨が降る」**という言い伝えがあります。
これは、オヒア(ロヒアウ)とレフア(ヒイアカ)は永遠に結ばれた存在であり、花を摘んで二人を引き離すと、ヒイアカの涙が雨となって降るとされているためです。
今でも、ハワイの人々はオヒア・レフアを敬い、
この花をむやみに摘むことはせず、自然のままに残すことを大切にしています。
3. ペレと火山の関係|現在も続く信仰
① 火山の噴火=ペレの意志
ハワイでは、キラウエア火山の噴火はペレの力の表れとされています。
✔ 溶岩が流れ出る=ペレが新しい土地を創造している
✔ 突然の噴火=ペレの怒りが爆発
✔ 火山が静まる=ペレが落ち着いた証
実際に、ハワイの噴火の際にはペレを祀る儀式が行われることもあり、
今もなお彼女の存在はハワイの人々にとって重要なものなのです。
② 「ペレの石を持ち帰ると災いが起こる」
ハワイでは、キラウエア火山の溶岩や石を持ち帰ると不幸が訪れるといわれています。
✔ 「ペレの怒り」を招くとされ、災難や不運が続く
✔ そのため、多くの人が後に石をハワイに返送することもある
これは単なる迷信ではなく、ハワイの自然に対する敬意を忘れないための教えとして今も語り継がれています。
まとめ|ペレの神話はハワイの自然とともに生き続ける
ペレの伝説は、ハワイの火山活動や自然の力を象徴する神話です。
✔ ペレは火山を操る創造と破壊の神
✔ ロヒアウとヒイアカの愛は「オヒアの木とレフアの花」となって今も残る
✔ 火山の噴火はペレの意志とされ、ハワイの人々は彼女を敬う
ハワイを訪れた際には、ペレの伝説を思いながら、
キラウエア火山やオヒア・レフアの花に込められたハワイの歴史と自然の力を感じてみてください!