フラの衣装はどうやって選ばれる?|色や花に込められた小さな物語
髪や首元には、美しい花やレイ。
フラを見ていると、
衣装の華やかさに目を奪われることがあります。
「この色が似合うから選んだのかな?」
「南国らしい花だから飾っているのかな?」
もちろん、見た目の美しさも大切です。
けれどフラの衣装には、
踊るメレ(mele)の物語を目で伝える
という役割もあります。
色にも、花にも、レイにも。
よく見ると、
そこには小さな物語が隠れているのです。
フラの衣装の選び方は「曲」から始まる
フラの衣装の選び方を考えるとき、
大切になるもののひとつが
メレ(mele)です。
メレには、
その曲が伝えたい物語があります。
- ある土地への愛
- 海や山などの風景
- 大切な人への想い
- 花や風、雨などの自然
- ハワイに伝わる歴史や物語
踊り手は、
その言葉を身体で表現します。
そして衣装もまた、
その世界を支える大切な要素になります。
だから、
「好きな色だから」という理由だけで決まるとは限らない
のです。
衣装の「色」はメレの景色を伝えてくれる
例えば、
海や空が印象的なメレなら、
青や水色を思わせる衣装が似合うことがあります。
緑豊かな土地を歌ったメレなら、
深い緑や自然を感じさせる色が
その世界観を引き立てるかもしれません。
夕暮れや温かな愛情を感じる曲なら、
やわらかな赤やオレンジ、
ピンクなどが選ばれることもあるでしょう。
ただし、
「海なら必ず青」
「花なら必ずピンク」
という決まりがあるわけではありません。
同じメレでも、
どの情景や想いを大切にするかによって
表現の仕方は変わります。
色は答えではなく、
物語を伝えるための表現のひとつなのです。
花は「きれいだから」だけでは選ばれない
フラの衣装とともに目を引くのが、
髪や首元を彩る花です。
プルメリアやハイビスカスなど、
ハワイらしい花を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかしフラでは、
単に南国らしく見せるためだけに
花を身につけるとは限りません。
メレの中に特定の花が登場することもあれば、
歌われている土地と深く結びついた植物が
選ばれることもあります。
花の種類を知ることで、
「この踊りは、どんな場所の物語なのだろう?」
と、衣装からメレの世界へ入っていくこともできます。
レイにも物語があります
フラでは、
レイ(lei)も大切な存在です。
レイというと、
ハワイ旅行で首にかけてもらう花飾りを
思い浮かべるかもしれません。
しかしレイには、
歓迎だけでなく、
愛情や感謝、敬意など、
さまざまな想いを表す文化があります。
そしてレイは花だけで作られるものではありません。
葉や実、種、貝など、
さまざまな自然素材が使われることがあります。
何を身につけるのかによって、
踊りから伝わってくる印象も変わります。
そのため衣装とレイは、
別々に考えるのではなく、
ひとつの物語を作るものとして組み合わせられることがあります。
土地を表す色や植物が選ばれることも
ハワイの島々には、
それぞれを象徴する色や植物があります。
そのため、
特定の島や土地について歌われるメレでは、
その場所を思わせる色や植物が
衣装やレイに取り入れられることがあります。
観客がその意味を知っていれば、
衣装を見ただけで、
「この島を表現しているのかな」
と感じられることもあります。
つまり衣装は、
単なる舞台衣装ではなく、
その踊りがどこにつながっているのかを伝える手がかり
にもなるのです。
群舞では、なぜ同じ衣装を着るの?
フラの群舞では、
ダンサーたちが同じ衣装を身につける姿を
よく見かけます。
これにも、
見た目をきれいにそろえること以上の意味があります。
群舞では、
一人ひとりが別の物語を踊っているのではなく、
みんなで同じメレを表現します。
動きがひとつになり、
衣装の色もひとつになることで、
舞台全体がひとつの景色のように見えてきます。
例えば全員のスカートが揺れたとき、
その色と動きが重なって、
大きな波や風のように感じられることもあります。
衣装もまた、群舞を作る表現の一部なのです。
衣装を着ると、踊り手の気持ちも変わる
普段のレッスン着から、
舞台の衣装へ着替える。
レイを身につけ、
髪を整える。
すると不思議と、
踊り手の気持ちも変わっていきます。
「今日はこのメレを届けるんだ」
そんな意識が、
少しずつ高まっていきます。
衣装は観客に見てもらうためだけのものではなく、
踊り手自身が物語の中へ入っていくためのもの
でもあるのかもしれません。
次にフラを見るときは衣装にも注目してみよう
フラを見るとき、
どうしても手の動きや笑顔に目が向きます。
でも次に見る機会があったら、
少しだけ衣装にも注目してみてください。
なぜ、この色なのだろう。
なぜ、この花なのだろう。
なぜ、みんな同じレイを身につけているのだろう。
そんな小さな疑問を持つだけで、
フラの見え方が少し変わります。
そしてメレの意味を知ったとき、
「だからこの衣装だったんだ」
と気づくことがあるかもしれません。
まとめ|フラの衣装の選び方にも物語がある
フラの衣装の選び方は、
美しく見せることだけで決まるものではありません。
メレに歌われる土地や自然、
花、そして伝えたい想い。
それらを考えながら、
色や花、レイなどが選ばれることがあります。
フラでは、
手の動きも、
表情も、
衣装も、
それぞれが離れたものではありません。
すべてがひとつになって、
メレの物語を観客へ届けていきます。
衣装は、言葉を使わずに物語を伝えてくれるもうひとつの表現。
そう考えてフラを見ると、
一枚のドレスや一輪の花にも、
今までとは違った魅力が見えてくるのではないでしょうか。
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