今年の締めと、2026年へ
今年の締めと、2026年へ
今年のレッスンが、今日で無事にすべて終了しました。スタジオのドアを閉めた瞬間、胸の奥からじんわりと込み上げてくるものがありました。「ああ、今年もここまで来られたんだな」そんな静かな安堵と感謝の気持ちです。
振り返ってみると、この数年は決して平坦な道ではありませんでした。コロナ禍という、誰にとっても予測不能だった時代をくぐり抜け、フラを続けること、教えること、その“当たり前”が、どれほど尊いものだったのかを、私自身が何度も問い直す時間だったように思います。
コロナ禍で大変だったこと
コロナが始まった頃、レッスンを続けるべきか、止めるべきか、何度も悩みました。人と向き合い、呼吸を合わせ、空気を感じながら踊るフラは、「距離」を置くことがとても難しい踊りです。感染対策、人数制限、スケジュール変更、突然の休講。その一つひとつが、心にも体にも負担となってのしかかってきました。
正直に言えば、「もう無理かもしれない」そう思った夜も、何度もありました。それでも、画面越しのオンラインレッスンに挑戦したり、少人数での対面レッスンを工夫したり、一人ひとりと向き合う時間をこれまで以上に大切にしてきました。
それでも続けてこられた理由
その中で気づかされたのは、フラは踊りである前に、“人の心を支えるもの”なのだということでした。不安な気持ち、孤独、先の見えない日々。そんな中で「フラの時間があるから頑張れました」と言ってくれた言葉に、私のほうが何度も救われていました。
踊ることは、呼吸を整えること。身体の芯を感じること。そして心を、静かに元の場所へ戻してくれること。フラは、私たちの生活の中で、確かに“支え”になっていたのだと思います。
環境の変化と、教室の在り方
コロナをきっかけに、私たちの環境は大きく変わりました。生活リズム、価値観、人との距離感。以前と同じ形に戻すのではなく、「今の時代に合ったフラの在り方」を考える必要があると感じています。
レッスンは、ただ振りを覚える場所ではありません。その日の体調や気持ちに耳を傾け、無理をしないで、自分のペースで進んでいける場所であってほしい。年齢も、経験も、目的も違う。だからこそ、ここに来るとホッとできる。そんな空間を、これからも守っていきたいと思っています。
フラを続ける理由
私自身、長くフラと向き合ってきました。楽しい時ばかりではなく、迷いや葛藤もありました。それでも今、はっきりと言えることがあります。フラは、人生そのものだということ。
うまくいく日もあれば、思うように踊れない日もある。でも、呼吸を整え、足元を感じ、心を込めて踊ることで、少しずつ、また前に進める。その積み重ねが、人生とよく似ているのだと思います。
2026年に向けての抱負
2026年は、「原点に立ち返りながら、丁寧に育てていく一年」にしたいと考えています。
- 一人ひとりの踊りを、これまで以上に大切にすること
- 基礎を疎かにせず、心と体に無理のないレッスンを続けること
- フラの背景にある文化や想いを、きちんと伝えていくこと
そして何より、フラを通して、日常が少し優しくなるような時間を届けること。派手さはなくてもいい。ゆっくりでもいい。でも、確実に、心に残るフラを。そんな気持ちで、来年も皆さんと歩んでいきたいと思います。
最後に
今年も一年、共に踊ってくださった皆さん、支えてくださったご家族の皆さん、本当にありがとうございました。ここまで続けてこられたのは、決して私一人の力ではありません。一緒に笑い、悩み、踊ってくれた皆さんがいたからこそです。
2026年も、変わらずフラを愛し、変わりながら時代に寄り添い、この場所を大切に育てていきたいと思います。また来年、新しい一歩を同じ場所で踏み出せることを楽しみにしています。心からの感謝を込めて。