伝統カヌー「ホクレア号」50周年航海へ|準備進むハワイの誇り
星と風をたよりに、数千キロの海を越えて。
現代のハワイでもっとも象徴的なカヌー、ホクレア号が、2025年、就航50周年の記念航海へと出航します。
ただの船ではありません。ホクレアは、ハワイの人々にとって「祖先とつながる乗り物」であり、文化と誇りを再発見する象徴でもあります。
ホクレア号とは?
ホクレアは、1975年に建造された伝統的なポリネシアン・ダブルハルカヌー(双胴船)。
かつての航海術を学び直し、ハワイからタヒチへ、さらにはミクロネシア、ニュージーランド、さらには北米や日本へも航海してきました。
羅針盤やGPSを使わず、星・風・波・雲の動きだけを頼りに航海する姿は、世界中の人々に感動を与えています。
50周年記念航海「Moananuiākea Voyage」へ
2025年の航海は、就航50周年の節目となる大きなプロジェクト。
航海の名は「Moananuiākea(モアナヌイアケア)」――“偉大なる太平洋”を意味します。
テーマは「海のつながり、島々の絆、未来への継承」。
さまざまな島を巡りながら、伝統航海術を通じて「持続可能な未来と文化の尊重」を訴えていきます。
ホクレアが語りかけること
ホクレア号は、単に大洋を横断するだけの船ではありません。
それはハワイアンとしてのアイデンティティを確かめる旅であり、文化を生きたまま未来へ届ける試みです。
子どもたちが甲板で星を見上げ、クルーが自然の声に耳を澄ませるその姿に、
私たちは「人間と自然の関係」をもう一度学び直すことができるのかもしれません。
参加すること、応援すること
ホクレアの旅は、誰もが「何かしらのかたちで関われる航海」です。
- 航海の様子はライブ中継やSNSで公開予定
- 寄港地ではセレモニーやワークショップも開催
- 教育プログラムや地元の子どもたちとの交流も
直接カヌーに乗らなくても、海の向こうから見守り、支え、次の50年をともに描いていくことができます。
おわりに|海がつなぐ心と文化
ホクレア号は、太平洋を渡る風のように、
静かに、けれど確かに、人々の心に触れていきます。
2025年、50周年という節目の航海を迎えるこの船は、
ハワイの伝統と精神を、次の世代へと引き継ぐ“動く祈り”のような存在です。
あなたも、どこかでホクレアの帆が見えたら、
少しだけ立ち止まって、その静かな航海に想いを寄せてみてください。