『リロ&スティッチ』の名曲が新アレンジで再登場!イアム・トンギさんと子どもたちの共演
ディズニー映画『リロ&スティッチ』の代表曲「ハワイアン・ローラーコースター・ライド」が、ハワイ出身のシンガーソングライター、イアム・トンギさんによって新たな命を吹き込まれました。さらに今回は、地元ハワイの子どもたちとの共演という、心あたたまるプロジェクト。風、海、声が交わるその光景には、文化の継承と愛のメッセージが込められています。
映画の名シーンを彩ったメロディが、新たな響きを得て
「ハワイアン・ローラーコースター・ライド」は、2002年公開の『リロ&スティッチ』の中でも特に人気の高い楽曲。陽気なリズムとハワイ語の美しさが印象的で、映画の楽しい雰囲気を象徴する1曲として今も多くの人に愛されています。
今回、イアム・トンギさんが手がけたアレンジでは、ウクレレとアコースティックギターを基調に、テンポを少し落とした穏やかなトーンに再構成。原曲の持つ活力を残しつつ、静けさの中に深い温もりを感じさせるアレンジとなりました。
ヒロの浜辺で紡がれた、新たな「オハナ」のかたち
舞台となったのはハワイ島ヒロの浜辺。海風が心地よく吹くその場所で、子どもたちが砂の上に素足を置き、ゆっくりと空を見上げながら歌うシーンは、まるで詩の一節のよう。波の音と子どもたちの声が溶け合い、自然そのものが共演者となるような情景が広がりました。
イアムさんは子どもたちに向けて「君たちの声がこの曲を特別なものにする」と語り、演奏中も笑顔で目を合わせながら一緒に歌い上げました。その姿はまさに“オハナ”――家族としてのつながりを象徴するものだったのです。
音楽にこめられた、未来へのメッセージ
イアム・トンギさんといえば、2023年の『アメリカン・アイドル』で一躍有名となり、ハワイの若き才能として注目を集めました。その魅力は、華やかさよりも“本物の温かさ”。今回のアレンジにも、その彼らしさが色濃く反映されています。
彼が歌を通じて届けたかったのは、「ハワイ語や文化を次の世代へつなげること」。歌詞の中に織り込まれたハワイ語のフレーズも大切に残され、現代の子どもたちにとって“響く母語”として描かれています。
そして、そのメッセージを受け取った子どもたちの歌声は、聞く人すべてに「今この瞬間のハワイ」を感じさせてくれるのです。
リメイクを超えた、文化表現としての新アレンジ
「ただのカバーではない」――これは多くのファンや関係者が口にする言葉です。今回のアレンジは、楽曲の外見を変えるのではなく、“その魂”にもう一度触れ直すというアプローチでした。
表面的には音数が減り、装飾が控えめになったことでシンプルにも感じられます。しかしそれはむしろ、文化や心をまっすぐに届けるための“削ぎ落とし”であり、ハワイアン音楽の本質に忠実な演出でもあります。
映像のラストには、子どもたちが海を背に「マハロ」と手を振るカットが挿入されており、それだけでも十分に涙を誘うほどの感動が詰まっています。
アロハの心が紡ぐ、未来への調べ
『リロ&スティッチ』は、スクリーンの中で「家族とは何か」「大切なものを守るとはどういうことか」を問いかけてきました。今回のプロジェクトは、その問いかけに対して“ハワイからの新しい答え”を音楽として届けてくれたのではないでしょうか。
イアム・トンギさんの歌声と、子どもたちの無垢な声。どちらにも共通しているのは、心の深くにある「アロハ」の精神。家族への思い、土地への感謝、そして未来への願い。それらが一つになり、ひとつの曲として届けられた奇跡の時間。
この音楽を聴いた誰もがきっと、ハワイの風を感じ、そして心のどこかで「また会える日まで」と静かに手を振りたくなる。そんな力が、この新アレンジには宿っています。