カネオヘの古代魚の池を守る|地域ボランティアの取り組み
オアフ島の風がやわらかく吹き抜けるカネオヘ湾。そのほとりには、静かに時間を刻む「古代魚の池(フィッシュポンド)」が佇んでいます。
これは、かつてハワイの人々が海と共に生きる中で築いた、持続可能な養殖の知恵。そして今、この歴史ある場所を守り、次の世代へつなごうとする人たちがいます。
ロコイア池|1000年以上の歴史を持つ生きた遺産
カネオヘの「ロコイア池(Loko Iʻa)」は、石積みで仕切られた海水の池。
潮の満ち引きを利用して魚を誘い入れ、育て、必要な分だけをいただく――そんな自然と調和した仕組みです。
これらの池は、ただの漁業施設ではなく、文化・食・精神性の交差点でもありました。
現代によみがえる伝統の知恵
長く放置されていた魚の池が、近年地域ボランティアの手で少しずつ蘇っています。
草を刈り、石を積み直し、海水の流れを整える。
地味だけれど確かな作業の積み重ねが、魚の命を呼び戻していきます。
作業に参加するのは、地元の子どもたちや家族、学校単位のチームなど。
手を動かしながら、先人の知恵と自然への感謝を肌で感じていきます。
ボランティアに込められた願い
この取り組みの根底には、「守ることで学ぶ」という意識があります。
古代の仕組みを体験することは、今の私たちにとってのサステナビリティを考えるきっかけに。
海と共にあった文化を再び暮らしの中に取り戻す、そんな静かな革命が進んでいるのです。
おわりに|風と海と人のつながり
カネオヘの魚の池には、見た目以上の「物語」が流れています。
それは、海を畏れ、恵みに感謝し、手をかけて共に生きてきたハワイアンの記憶。
そして今、それを守ろうとする人の手にも、同じ想いが受け継がれています。
風の匂いと波の音に包まれながら、少しだけ耳を澄ましてみてください。
遥か昔と、今のあなたをつなぐ、静かな声が聞こえてくるかもしれません。