ハロウィンに踊るフラ|『Na Tutua Heleuī』で楽しむ“島のハロウィン”入門
フラで感じる“島のハロウィン”
ハワイのフラソングの世界には、季節を楽しむ曲がたくさんあります。
春の花を歌うもの、夏の海を讃えるもの、そして――ちょっと意外ですが、ハロウィンをテーマにした曲も存在します。
その名も『Na Tutua Heleuī(ナ・トゥトゥア・ヘレウィー)』。
ハワイ語で“ハロウィンの夜を歩く幽霊たち”を意味するこの曲は、陽気でどこかコミカル。
怖さよりも「楽しむ心」が前面に出ており、フラダンサーたちの間でも人気のある楽曲です。
ハワイにおけるハロウィンの文化
ハロウィンというと、アメリカ本土の文化という印象がありますが、
ハワイでも10月31日は大きなイベントとして定着しています。
街には子どもたちが仮装して歩き、ワイキキでは観光客とローカルが入り混じるにぎやかな光景が広がります。
しかし、ハワイのハロウィンにはもうひとつの側面があります。
それは「ご先祖を敬い、自然界の精霊に感謝する」という、ハワイの伝統文化と共鳴する精神です。
この感覚は、日本のお盆に少し似ていますね。
『Na Tutua Heleuī』が描く世界
この曲に登場するのは、恐ろしいモンスターではありません。
むしろユーモラスで、ハワイの夜を楽しそうに歩く霊たちの姿が描かれています。
Na tutua heleuī, e hele nei ma ke alanui…
(ハロウィンの霊たちが、道を歩いてやってくる…)
曲の中の霊たちは、子どもたちの笑い声や月明かりに導かれながら、夜の島を歩きます。
そこには恐怖ではなく、「夜を祝う」という明るいハロウィンの姿があります。
ハワイでは“Tutua(トゥトゥア)”という言葉が、幽霊やお化けを表すスラングのように使われます。
つまりこの歌は、ハワイ流にアレンジされた“お化けのパレードソング”なのです。
フラで踊るハロウィンの楽しさ
『Na Tutua Heleuī』をフラで踊るときは、少しおどけた表情や動きを加えるのがポイントです。
子どもたちが「Trick or Treat!」と叫びながら歩くように、軽やかで楽しいリズムが特徴。
手を広げて「boo!」と脅かす振りや、霊たちが道を歩くようなステップもよく使われます。
衣装も自由度が高く、オレンジや黒、紫のハロウィンカラーのパウスカートを合わせると、季節感がより際立ちます。
子どもクラスでは仮装を取り入れて踊ることも多く、スタジオ全体が笑いに包まれる人気曲です。
ハワイ語で知る“ハロウィン”の言葉
この曲をより楽しむために、いくつかのハワイ語を覚えておくと良いでしょう。
- Heleuī: ハロウィン(英語「Halloween」の音写)。
- Tutua: 幽霊・お化け。怖い存在ではなく、どこか親しみを込めた表現。
- ʻUhane: 魂・スピリット。ハワイでは自然や人に宿る生命の力を指す。
- Pō: 夜。ハワイ神話では“夜”は生命の再生を意味する神聖な時間。
これらの言葉を知ることで、ただの季節行事としてではなく、ハワイの精神文化とつながるハロウィンとして楽しむことができます。
子どもから大人まで楽しめる一曲
『Na Tutua Heleuī』はテンポが明るく、初心者でも踊りやすいリズムです。
子どもたちは笑顔で踊り、大人のクラスでは表情豊かにアレンジして踊ることができます。
ステップは軽快ですが、歌詞のテンポに合わせて身体をゆったりと揺らすのがポイントです。
また、フラ教室によってはこの曲を使った“ハロウィン発表会”や“イベントフラ”が行われることもあります。
季節を楽しみながら踊るフラは、文化の楽しみ方としても素敵な体験です。
おわりに|笑顔でつなぐアロハのハロウィン
ハワイのハロウィンソング『Na Tutua Heleuī』は、怖がらせるための歌ではなく、笑顔で夜を楽しむ歌です。
フラを通して踊ることで、アロハの心――「思いやり」「共有」「楽しむこと」を自然に感じることができます。
ハロウィンの夜、ぜひこの曲を聴きながら、ゆったりと体を揺らしてみてください。
月明かりの下、あなたの中にも“アロハのTutua”がそっと微笑むかもしれません。